H254.県立図書館の再編について(知事、教育長)

Q 菅原文仁議員(刷新の会)

 県立図書館は、浦和、熊谷、久喜の3カ所にあります。この県立図書館は、市町村との役割分担も踏まえて、専門的資料の収集・提供の充実が必要だとの認識から、教育長が昨年9月議会で、3つの県立図書館を統合する意向を表明されました。そして、新しい県立図書館の整備方針を早急に検討する必要があるとの認識も示されました。
しかし、その後、久喜図書館の存続を求める地元からの要望書などが知事に提出されました。県としては、議会や知事の意見も踏まえて慎重に検討されるということであります。また、しかし一方で、埼玉県は県有施設の耐震化を平成27年度末までに進める予定となっております。平成27年度末までの耐震化ということになりますと、どちらの方向性を選択するにせよ、検討に残された時間はわずかであります。平成25年度の予算案には、その方向性は示されておりませんが、この県立図書館の再編については、地元のみならず、県民全体の関心事となっております。
そこで、知事にお伺いします。県立図書館の再編について、現在どういった判断をされているのでしょうか。
次に、教育長にお伺いします。現在の県立図書館の再編については、検討状況はいかがでしょうか、また、今後のスケジュールとしてはどうお考えでしょうか。

A 上田清司 知事

 本県では、市町村立図書館の整備が大幅に進んだことから、県立図書館に求められる役割は設立当初とは大きく変わったんではないかという認識を持っております。
一般的な図書の貸し出しは市町村が担うようになり、県立図書館は専門書の収集や提供、県民からの調査相談への対応などが中心となっています。
しかし、現在の県立図書館は3館がそれぞれ専門分野を有しているため、分野をまたいだ調査や相談にワンストップで応じることができない状況になっております。
そのため専門的な資料を1箇所に集め、県民や企業の調査・研究に十分対応できるような体制をつくることが必要だと思います。
その上で、科学技術などの情報を充実し、ビジネスやイノベーションを支援できる図書館にすることも大切ではないかと思っております。
県立図書館と市町村立図書館との関係でいえば、ITを通じてネットワークを構築することができますので、図書の検索や予約など県内どこからでもアクセスが可能となるはずです。
これが県立図書館再編の基本的な考え方になります。
一方、久喜市をはじめとする近隣市町からは久喜図書館存続のご要望もいただいております。
現在の県立図書館は3館とも耐震性が十分でなく、県民の安心・安全の観点からも、結論をあまり先延ばしにするわけにはいきません。
地元の意向や県議会の意見なども丁寧に伺いながら、結論を出していきたいと考えております。

A 前島富雄 教育長

 まず、「現在の図書館再編についての検討状況」についてでございます。
市町村立図書館の整備が進んできた中、県立図書館としては、専門的な資料・情報を揃え、県民の課題解決をワンストップで支援できる体制を整備していくことを検討してまいりました。
一方、昨年10月に、久喜市をはじめとした近隣の市や町から、久喜図書館の存続を求める要望書、意見書をいただいております。
こうしたご要望も踏まえ、県議会や地元のご意見を十分お聞きしながら、県立図書館の再編についてさらに検討してまいります。
次に、「今後のスケジュール」についてでございます。

 耐震化の期限を考えますと、検討に残された時間はそう多くありませんので、地元の皆さまなどとの調整を重ね、県立図書館再編の姿を描けるよう、鋭意検討してまいります。