【鍛冶谷・新田口遺跡を発掘】

【鍛冶谷・新田口遺跡を発掘】
本日は、埼玉県選定重要遺跡にも指定されている「鍛冶谷・新田口遺跡」の遺構発掘調査の現場で職員の皆さんと発掘作業を行いました。
現在進めている発掘現場は民地で戸建が建設予定とのこと。
私に与えられた作業時間は2時間という短時間でしたが、南原遺跡で出土した埴輪まではいかないまでも、土器類はよく出るので奇跡の発掘を期待しながら発掘作業に挑戦しました。
私の掘った場所は、何らかの「柱」と思われるような遺構があったことを発掘によって記録していく作業に一端を担うものですが、専門職職員の指導のもと慎重に移植ごて(スコップ)や手ガリといった道具を使って粘土状の土を掘っていきます。
土器などの遺物があった場合は「コツ」と当たるのでわかるそうですが、この現場はそういった遺物の発掘はあまり期待が持てないとのことでした。しかし、明らかに色が違う土質の層が出できて、何かが埋まっていたことがわかる境界線まで、遺構を確認することができました。
この作業、私は2時間近くもかかってしまいましたが、慣れた人は30分もあればできるそうです。
夏のような日差しの中で汗は吹き出しましたが、約1700 年前の古墳時代から荒川低地の自然堤防上に暮らした先人たちの「生きた証し」のロマンを感じながら、戸田の貴重な埋蔵文化財に触れることができました。
因みに戸田市内には、南原遺跡・上戸田本村遺跡や大前遺跡など11か所もの遺跡があります。
これらの多くは弥生時代後期から古墳時代前期にはじまっており、市の貴重な文化財として守っていかなければなりません。
指定された埋蔵文化財包蔵地に該当している場合、工事着手の前に所定の書類手続と試掘調査が必要となりますが、調査は年中あるわけではないので、実際に作業する職員は会計年度任用職員(非常勤)により実施しています。
今日はそんな体力勝負の発掘作業を頑張っている職員を励ましながら戸田の文化財保護の現場を実際に知ることができればと考え現場に向かいました。
職員は年々高齢化が課題となってきており、随時募集しておりますが、なかなか募集がこないと聞いています。
職員は特に資格などは要りませんので、考古学や発掘に興味がある方、そして健康な方はぜひ、戸田市教育委員会の生涯学習課にお問い合わせいただき、戸田市の埋蔵文化財を守る活動を通じて戸田の歴史ロマンを感じていただけたらと思います。
非常に興味深いので、私もまたぜひ機会をつくり、発掘に挑戦したいと思います。