H24 1中・長期に及ぶ財政展望と計画について

(1)「人口構造の質的な変化」が、県財政に与えるインパクトについて伺う。

発言者:菅原文仁

まず一点目、中長期に及ぶ財政展望と計画について知事にお伺いします。早速ですが、パネルをご覧ください。埼玉県の生産年齢人口と高齢者数の推移です。40年の間でものすごいギャップが生じて参ります。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計によれば、埼玉県の高齢化率は平成17年からの30年間で16.4%から33.4%、つまり倍増します。人数にしてみると、100万人弱も増加することが予想されています。
また同時に、支える側にいる生産年齢人口は、30年間で約130万人減少することが予想されております。もの凄いギャップです。
パネルをご覧ください。この表は平成17年を1として65歳以上の人口がどのくらい増えるかという増加率の推移です。実は調べてみると、都市部と過疎地では、地域によって高齢化の種類が異なるということが分かってきました。島根県はこれは現在一番高齢化が進んでいる地域ですが、これから高齢化はどんなに進んでも増加率は15%です。30年後は今とほぼ同じ水準になります。例えば近隣県である群馬県は、増加率は全国平均44.6%よりも低い38.4%です。しかし、埼玉県は82.3%もの高齢者が増加するという非常に危機的な状況というのが訪れるのではないかという風に思います。今現在の高齢者に対する社会福祉の政策、行政サービスの水準をキープしても、つまりプラス80%の新たな財政的な需要が生まれるというこういったデータが示されてということになります。
しかしその支える側たる生産年齢人口は、増えることはなく平成17年(今)の4分の3に落ち込んでいるのです。
こういった都市部、今は勝ち組かもしれません。しかし今後の30年40年の間で発生してくる高齢化の大津波によって、埼玉県財政は真綿で首を絞められるように、厳しく険しい財政危機が訪れるのではないか、私はこのように認識をしておりますが、知事はどういったご見解を持たれているのか、予算への長期的な展望という観点からお伺いします。

答弁者:上田清司知事

伸び率で見ていくと埼玉県が最高だということであります。発射台が低いので当然高齢化率が上がっていくとき低い方から当たり前にいけば伸び率が高くなるのは当たり前でありまして問題は高齢化率の伸び率というよりは最終的にシェアがどうなるかということだと思っていますがこれはやっぱり全国平準化されるわけで、例えば全国平均が平成47年でこの65歳以上の方々が全国が33.7%と、埼玉県は33.8%で0.1%多いだけという形になります
基本的にはやっぱり時間が経てば経つほど平準化されていくものだという風に思っていますので要は65歳以上の人たちが3人の中に1人いらっしゃるという世界が生まれるという形ですからこういう状況の中でどうするかということですからまさしく私が今申し上げているところはやはり新しい産業を興すその源も同時に電力不足という、こういう状況を踏まえたですねエコタウンプロジェクト等を通じて新しい技術を日本が発明しそしてそれを海外に浸透させていくそしてそのこと自体が非常に生活費を安くしていく、事実上電気代をただにしていくというプロセスですね。
それからウーマノミクスできるだけ女性の就業率を高めて全体として生産年齢を維持していくという考え方、あるいはシニアの人たちにも働いていただいて結果的に支える人たちと支えられる人たちのバランスをとっていく。もう一つは全国国民医療費36兆円のうちの12兆円が生活習慣病だと。少なくともこの生活習慣病の部分を大きく切り込むような、そういう健康長寿ができればこの部分の負担も小さくなるという。こういう大きなマクロの観点からの作業をやっぱり今の内からずーっと進めていくと。同時に多分に色んな形で支える側と支えられる側の負担をどうするかということについて今はつじつま合わせ的な税と社会保障の一体改革の話をしておりますがそう遠くない時期にこのつじつま合わせ的なものではなくて最終的な負担すべきものと与えられるべきものとのバランスをどうとるかという議論を徹底してやらなくてはいけないと思っています。

発言者:菅原文仁

知事はよくデフレの正体の話、人口動態の話をされると思います。その作者であります藻谷浩介さんの講演を私聞いた事があるんですね。
非常になるほどと思ったのはですね高齢化社会への対処とは、「高齢者の絶対数の激増」への対処の事であって、高齢化率の上昇は、よく少子高齢化といいますが少子化のせいだというような方がいるんですがこれは愚の骨頂だと。そうではなくて子供を増やせば高齢化を解決できるというのは誤った認識だと高齢化と少子化は別問題で高齢化は高齢化、絶対数に対する対処ということをやっていく必要があるのではないかと、そういった意味でですね埼玉県の財政先々を考えますとこの恐るべき高齢者の絶対増をやはり考えた財政運営というのをやっていく必要があるのではないかといった観点で二つめの質問に入ります。

(2)財政の持続可能性を高めるため、県独自の中期的、長期的な財政計画を策定していく必要があると考えるがどうか。

発言者:菅原文仁

次に、自治体財政の将来予測を考えると景気や国の制度にも左右されますし、不確定な要素が多いのも事実ですが、判断基準を各自治体も持つ必要があるのではないかという風に考えております。そこでですね中長期の見通しをはかるべく埼玉県独自で精緻な調査を行って中期的・長期的な財政計画を策定していく、またその予測に基づいた財政運営をしていくということも必要ではないかという風に考えますが知事の見解をお伺いします。

答弁者:上田清司知事

菅原議員が言いましたように少子高齢化というのはあんまり私つかったことがないんです。高齢化はつかっておりますけど。まさに少子化というのを人工的になにかできるようなものではなかなか難しいんで。もちろん子育てを可能にするような条件づくりというのは重要なことだと思っていますけどまさに因子というのはある程度一定程度人口があればそれが10年後にはどうなるという動態変化っていうのはわかるんです。ただし経済予測はなかなか難しいんです。例えばリーマンショックを予測した人はいないわけですね。非常に順調に進んでおりました、埼玉県の経済も。しかしリーマンショックで元の木阿弥になりました。6000億前後の税収が8000億までいったんですね。それがまた元の木阿弥になったということもありますので、これを長期的な精密に一定程度のある程度正確にやれば一定程度出すことは可能なんですがそれがどれだけ意味があるかということになってくると私はそんなに意味がないと思っております。それよりもなによりも特に税収の部分で地方交付税というこの枠組みがありますね。これは自分のところでどうにもならない部分、特に今国と地方の制度間いわば制度改革の端境期の時にぶつかっていますのでこの時に精密な中長期計画を立ててもあまりそのこと自体がじゃあこの通りなりますかといったらよくわかりませんと、こう答えせざるを得ません、現実に。どういう風になるかでまた中身が変わってきますというお話しをするのにどれだけ意味があるかっていうことでいえば残念ながらそのようなことになりかねませんので、むしろ人口の動態化、これはある程度長期戦略が組めると思いますのでこの部分に関しては意識的に考えているつもりでございます。