H23 7.医療環境の充実について  (2)「#8000」の時間拡大について (保健医療部長)

Q 菅原文仁議員(刷新の会)

埼玉県は核家族率62.3パーセントと日本一高く、また18歳未満の児童がいる世帯の核家族の割合が82.5パーセントという核家族大県、子育て大県です。
近くに頼れる家族が少ないような核家族の親の不安解消と、ただでさえ足りない小児救急医療の負担軽減を図るために、小児救急電話相談事業、通称「♯8000」は平成19年度から事業を開始いたしました。大変好評を博しております。
「♯8000」は、子どもを持つ保護者が休日と夜間、急な子どもの病気にどう対処したらいいか分からないときに、病院の診察を受けるべきかどうかを電話で医師や看護師に相談する事業です。
現在埼玉県は、月曜日から土曜日までは午後7時から11時まで。日曜・祭日・年末年始は午前9時から午後11時まで相談業務を行っております。
平成19年に事業開始以降、相談件数は増加の一途をたどり、20年の2万3千件から22年には3万1千件にまで増加しております。平成22年度の一日当たりの相談件数は約86件というように、大変効果を上げている事業ですが、毎日電話が鳴りやまない状況から電話がつながらない、時間帯を深夜にしてほしいというご要望も多く聞くところです。
一方で、近年救急出動件数は増加の一途をたどっています。
平成22年度に過去最高28万8,689件、前年比9.6パーセントの増となり、救急出動の抑制と医療の質確保は喫緊の課題であります。
そこで、子育て世代の要望に応えるためにも、不必要な緊急救急医療を減らすためにも、これまでの時間帯に加え、深夜11時から朝までの時間帯について相談時間を延長することを検討してはいかがでしょうか。
現在「♯8000」の深夜相談は大阪、福島、青森など多くの府県で行っております。ぜひ埼玉県でも実現していただきたいと思います。保健医療部長にお伺いします。

A 降田 宏 保健医療部長

 小児救急電話相談、いわゆる「#8000」は、埼玉県看護協会に委託し実施しており、小児医療に精通した経験豊富な看護師が相談に対応しております。
平成22年度は3万1千件を超える相談があり、夜間の相談の約6割が午後7時から9時までの時間に行われております。
相談の約4分の3は自宅での対応が可能な内容であり、軽症患者の集中で疲弊する小児救急病院の負担軽減や保護者の不安解消につながっております。
午後11時以降への相談時間の拡大につきましては、利用者のニーズや、深夜帯の相談を実施している他県の相談体制、相談件数などの状況を調査し、検討してまいります。