H23 8.教育問題について  (2) 育鵬社の教科書を採択した伊奈学園の歴史・公民教育について (教育長)

Q 菅原文仁議員(刷新の会)

 わが会派の鈴木代表は、小学校の頃、「日本を勝利に導いた東郷平八郎元帥が登場しないような教科書はおかしい」と先生と言い争いになりまして問題児扱いされてから、もうかれこれ30年以上教科書問題に取り組んでまいりました。刷新の会としても大変意義深いと考えております。
今回伊奈学園中学校が育鵬社の教科書を採択したということですが、考えてみますと埼玉の教師は長年同じ教科書に沿って授業を行ってきたのです。新学習指導要領に沿った授業というのはもちろんですが、新しい教科書に沿った授業が展開できるのか心配なところです。
そこで、育鵬社の教科書を採択した伊奈学園中学校では、今後これらの教科書に沿った歴史・公民教育をどのような方針で教師に指導されていくのでしょうか、教育長にお伺いします。

A 前島富雄 教育長

 伊奈学園中学校では、高い人格と豊かな人間性を育成し、国際社会の中で信頼と尊敬を得る人材を育てることを教育目標として掲げ、教育活動を推進しております。
そこで、教育委員会では、伊奈学園中学校の教育目標や教育方針を踏まえるとともに、教育基本法や学習指導要領などの目標を達成できる教科書を十分に議論を重ね採択したものであります。
歴史であれば、それぞれの時代で国家や社会、文化の発展に尽くした人物を数多く取り上げておりますので、その人物を通して歴史を深く理解させ、わが国や郷土に対する愛情を育む授業を展開したいと考えます。
また、公民であれば、政府見解に基づき、領土問題や拉致問題などについて具体的に扱うことによって、国際社会に対する理解を深め、しっかりとした国家観を養うような授業を展開したいと考えます。

 伊奈学園中学校では、わが国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚をもたせるとともに、広い視野に立って主体的に考えさせる歴史や公民の授業が展開できるよう教員に対し指導してまいります。