Q 菅原文仁議員(無所属県民会議)
次に(2)「埼玉県災害ボランティア登録制度について」です。
ボランティア元年といわれた阪神淡路大震災の翌年の平成8年に整備されたこの制度は、県内で活動を希望する個人及び団体が登録を行い、災害発生時には、登録者の自主性により、多岐にわたるボランティア活動を行なうこととなっており、現在154名の個人と、38の団体が登録をしています。
当初は災害ボランティア活動自体、今ほど一般的ではなかった為、制度に一定の意義があったと思います。しかし東日本大震災以降のボランティアの一般化や、各社会福祉協議会のボランティアセンターの設置など、地域の受け皿も整備されつつある今、県の単位で一般的なボランティアを登録する意義は薄くなってきているのではないでしょうか。事実として個人の登録は、平成24年度の311名をピークに半減している状況です。
そこで、このボランティア登録制度については、市町村をバックアップする広域自治体としての県の役割に鑑み、もっと専門的な技能や知識、高度なスキルをもったボランティアの「人材バンク」を作ることで、この制度をさらに発展させることができると思います。
例えば、応急危険度判定士や被災宅地危険度判定士、看護師や介護士や保育士、外国語通訳や手話通訳など、災害時に必要な人材を県が把握することで、発災時には被災地のニーズあったボランティア派遣を展開でき、これまでとは違った角度で、被災地バックアップ体制が構築できるはずです。
以上を踏まえ、今後の展開についてご見解をお伺いします。
A 危機管理防災部長
次に、(2)「埼玉県災害ボランティア登録制度について」でございます。
この制度は、県内で大きな災害が発生した場合、ボランティアの方に、救援活動していただくことを目的として設けた制度でございます。
最近はボランティア精神が一般的に広く浸透し、4月に発生した熊本地震でも多くのボランティアが被災地支援のだめに集まっております。熊本県益城町で活動したNPO法人「日本災害救援ボランティアネットワーク」の理事長である大阪大学大学院の渥美公秀教授と先日お話しする機会がありました。被災地で足湯サービスをしながら被災者の声に耳を傾け、手足のしびれを訴える高齢者を医療関係者につないだり、スイカ収穫後の箱詰め作業を手伝うなどの活動をしているとのことでございました。
本県が被災した場合、高度な技術を持った専門家も必要ですが、このNPO法人の活動のような、行政の手の届かないところを埋めて頂く一般のボランティアも必要となります。熊本地震では現地のボランティアセンターの募集に対し、5月の連休中は必要数を超えるボランティアが集まったものの、連休後はボランティアが確保できないという状況がございました。
今後、本県が被災し、一部の地域でボランティアが不足する状況にあった場合、本県の登録制度を有効に活用する場面も想定できるのではないかと考えております。しかし、制度創設以来20年が経過し、登録者も減少傾向にあることから、制度の見直しが必要であるとの認識は持っております。高度で専門的なスキルを持つボランティア人材バンクという議員からの御提案も含め、有効に機能する制度となるよう検討してまいります。