Q 菅原文仁議員(刷新の会)
昨年の決算特別委員会において、わが会派の中屋敷新幹事長が総労働時間を超えるような時間外勤務についてただしたところ、最も時間外勤務手当の支給が高かった方の支給額は、1年間で747万円、1,916時間であったとの報告がありました。この件については、「県庁に住んでいたのか、県職員の2千時間残業問題」などと各新聞やネット上などで報道され、県庁職員の勤務管理体制にさまざまな疑問の声が上がったところであります。
知事は、「最小で最強の県庁」をスローガンに掲げ、知事部局の人員を大幅に減らしてきました。私は、これを大きな成果だと考えておりますが、今回の事例は即刻是正すべき課題だと思います。意地悪な見方をすれば、役所というのは、だらだらと残業時間を延ばせば多額の手当がもらえる気楽な稼業と思われても仕方ないと思います。
そこで、知事にお伺いします。今回の指摘を受けて具体的にどういった改善をされたのでしょうか。ご所見も含めてお伺いいたします。
次に、総務部長にお伺いします。その後の残業時間が年1千時間を超えるような職員が出ているのでしょうか。また、今後仕事の効率化に向けて、適切な職員の配置も含めた新たな取り組みをする気はないでしょうか、お伺いいたします。
A 上田清司 知事
私は知事に就任して以来、ワークライフバランスの観点からも、職員の時間外勤務の縮減というものについて、積極的に取り組んできました。
そういう意味で、職員の月平均時間外勤務は、平成16年には11.6時間であったものが毎年減少して、平成20年度には9.1時間まで縮減いたしました。
その後、東日本大震災の復興支援や放射能対策などの業務増によって多少増加しましたが、着実に効果は出ております。
この1カ月に9.1時間という数字というのは、だいたい20日くらい勤務するわけですから、基本的には、1人にすれば30分弱、時間外勤務を1日当たり30分弱しているというようなイメージだと捉えていただきたいと思います。
また一方、土日や3連休には、行政監察幹が毎週課所ごとに時間外勤務の状況を調査しておりました。
しかし、課所ごとの状況は確認しておりましたけども、一人一人の個別案件までは確認しておりませんでした。
そのため、レアケースとしての決算特別委員会で御指摘のあった県税コンピュータシステムの開発に係る特定の職員の長時間に及ぶ時間外勤務の実態というものを、いわば人事課、あるいは行政監察幹として把握していなかった、このような状況がございました。
そういう状況でありましたので、これからは、所属長に対して、特定の職員のみが長時間に及ぶ時間外勤務を行うことのないよう業務の進行管理の徹底を厳しく指導したところでございます。
また、時間外勤務が特に多い所属に対しては縮減に向けた取り組みや事務の改善策を個別に指導もするように、人事課に指示をいたしました。
また、人員の確保が必要な所属については、いつも年度途中からも職員の増員を図っておりました。
こうした取り組みの結果、11月から1月までの3カ月間に限って言えば、職員1人当たりの時間外勤務は、昨年同時期と比べて14.4%減少し、月平均9.5時間となっております。
今後も、昨年度のような事態が再び生じないように時間外勤務の縮減を図ってまいります。
A 倉上伸夫 総務部長
決算特別委員会でのご指摘を受け、直ちに職員の適正な勤務管理を全所属長に徹底いたしました。
また、人事課が時間外勤務の状況を常に確認し、特に多い職員については個別に状況を調査した上で仕事の進め方や事務配分などの改善を働きかけました。
さらに、前年度に比べて著しく事務が増加するなど、所属での対応が難しい場合には年度途中から職員の増員も図っております。
これらの取り組みの結果、職員の月平均時間外勤務は11月は対前年15.7%減の9.7時間、12月は13.8%減の9.4時間、1月は11.2%減の9.5時間と確実に減少しております。
知事部局において今年1月末時点で年1000時間を超える時間外勤務を行っている職員はおりません。
次に、仕事の効率化に向けた新たな取り組みについてでございます。
県では、これまで「3Sカイゼン」などを通して、職場の業務改善や職員の意識改革に取り組んでまいりました。
今年度は、職員のワークライフバランスを推進するための全庁的な会議を設置し、この中で仕事の効率化や時間外勤務の縮減に向けた取り組みをさらに進めております。
まずは照会・回答事務や資料作成などを見直し、不要不急の時間外勤務を行うことのないよう徹底しております。
また、毎週水曜日のノー残業デーを徹底するとともに、ノー残業デー以外の定時退庁日の設定についても取り組みを強化しております。
各職場のスタートミーティングでは、所属長自ら計画的な業務執行や時間管理などについて職員に働きかけ、意識の高揚を図っております。
今後とも、業務量の変動を把握しながら職員の適正配置に努めるとともに、さらなる仕事の簡素・効率化に取り組み、時間外勤務を一層縮減してまいります。