6.自転車通行空間の整備について (1)グリーンベルトと自転車ナビラインの整備を

Q 菅原文仁議員(刷新の会)

平成25年中の自転車乗用中の交通事故死者数が全国ワースト2位であり、また、歩行者と自転車との接触事故件数が10年間で1.7倍になるなど、自転車の関与する事故の割合が高い埼玉県では、自転車すいすい55プランや、自転車レーンや歩道内の走行位置を明示するサインを定め、事故防止や自転車のルール遵守を図るべく自転車通行空間の整備を推進しております。
また、県内の自治体では自転車ネットワーク計画の策定が進んでおり、6月現在、6市で策定が完了したようです。県全体で自転車を明確に車両と認識し、歩行者と自転車と車の三者による道路のシェアを推進することで、歩行者はもちろん、自転車利用者も交通事故から守られると考えております。
そこで、グリーンベルトと自転車ナビラインの整備をについて、知事にお伺いします。
県は、通学途中の児童が犠牲となる事故が後を絶たない状況の中、今年度から3か年で約100キロの歩道のない通学路を緑に塗るグリーンベルトを整備して、県道の安心・安全を確保する事業を行っております。
そこで、私の提案です。このグリーンベルトの整備と同時に、自転車ナビラインという矢羽根のサインを車道の左側につけて、自転車の通行位置を明示してはいかがでしょうか。こういう形で、ちょっと見えづらいかもしれないですが。
これにより期待できる効果は三つです。一つ目は、走行する自転車が車道に誘導され、車と児童の事故のみならず、自転車と児童の接触事故を防ぐことが期待できます。二つ目は、自転車の原則車道左側通行というルール遵守の徹底が図られ、自転車事故の7割を占める交差点における車との事故、さらには自転車同士の対面衝突事故の減少も期待できます。三つ目は、異なる効果の2つのサインを同時に整備することで高い財政効果が期待できます。正に一石二鳥、三鳥の取組になると私は考えておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。

A 上田清司 知事

県では、歩道のない通学路において通学児童の安全を確保するため、道路の路側帯を緑色に塗るグリーンベルトを整備しております。
このグリーンベルトに沿って車道に自転車ナビラインを整備することで、一石三鳥の効果があるとの御提案をいただきました。
既に都内では、交通量の少ない生活道路や十分な幅員を有する道路において実施している箇所があると報告を聞いております。
しかし、グリーンベルトを整備する県管理道路の多くは、交通量が多く車道幅員に余裕がない状況のところが実際でございます。このような道路では、多くの自転車はできるだけ自動車から離れて走りたいという心理が働き、路側帯を通行しているのが現況でございます。
自転車を車道に誘導することと自動車との接触事故が増える心配もあり、自転車走行の安全確保にも十分考慮する必要があるのかと思います。
御提案のありました自転車ナビラインは、どちらかというと交通量が少ない道路が中心になるのではないかと思います。
今後、市町村が策定しています「自転車ネットワーク計画」の中で県も連携し、自転車ナビラインの活用方法について積極的に研究してまいります。