【令和7年仕事始め式】
令和7年の仕事始め式では職員の皆さんに以下のような挨拶をいたしました。
長文ですが掲載させていただきます。
新年明けましておめでとうございます。
令和7年の仕事始めにあたり、市民の皆様、そして職員の皆さんに謹んでお慶びを申し上げます。
そして本日は大変お忙しい中、石川清明議長におかれましては、ご臨席を賜り、激励のお言葉をいただけますことに職員を代表して厚く御礼を申し上げます。
また、年末年始、市民が安心して生活できるよう昼夜を問わず職務に尽くした消防、上下水道、医療や福祉などに関わる職員の皆さん、誠にありがとうございました。
昨年は元日に能登半島地震が発災し、夏には日向灘地震が発生して気象庁は南海トラフ地震臨時情報を発表しました。また、秋田・山形では記録的な豪雨災害、さらには復旧・復興途上の能登に記録的豪雨が襲うなど、改めて我が国が災害大国であることを痛感しました。
一方、物価高騰が続き実質賃金が減少する中、秋の総選挙ではどの政党も単独過半数を獲得していない状況となりました。国民の政治に対する信頼は揺らぎ、これまでになく政治や行政に対して厳しい目が集まっていることを感じるとともに、その目は地方政治そして行政に対しても同様であると考えなければなりません。
このような中、本市では「こども応援」「100年健康」「防災」の公約3大プロジェクトをはじめ「市民の命とくらしを守る」諸施策の実現に向けて、皆様と真摯に取り組んでまいりました。その結果、昨年は日本最大の政策コンテストである「第19回マニフェスト大賞 優秀賞」の受賞や、埼玉県より「収入未済額圧縮部門の個人住民税市町村表彰」を受けるなど、多方面からの様々なご評価をいただきました。
市民のために職員の皆さんと一意専心で頑張ってきたことが認められたことは素直に嬉しく思いますし、皆さんが日々の職務を頑張ってこられた成果でもあります。ここに改めて感謝申し上げたいと思います。
さて、本日より令和7年が始動いたします。
今年の干支は「巳年」です。ヘビは脱皮して成長することから、「変化の年」とされています。今年は昭和100年、敗戦から80年の節目の年でもあり、昭和時代を振り返る機会も多くなりそうです。
また、いわゆる「2025年問題」が現実のものとなる年でもあります。約800万人いる団塊世代の全員が後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、約5人に1人が75歳以上となります。今後は社会保障費の確保や、介護予防への取り組み、そして人材確保が益々重要となります。
国民の総人口に対する生産年齢人口の割合は約59%と6割を切り、医療や介護人材のみならず、建設業やITなどあらゆる業界で人材不足が加速します。
一方で戸田市の生産年齢人口の割合は県内一の高さを誇り現在約70%となっております。このことは本市の強みと言えますが、昨年の本市の人口増加率はほぼ頭打ちとなっております。人口が伸び、若い街であり続けてきた本市も大きな転換点を迎えつつあります。
本市の持続可能な発展をはかるためにも人口定着の推進は重要な課題と捉えていかなければなりません。
こうした状況の中、今年は3つのチャレンジを進めてまいりたいと考えております。
1つ目として、20代~30代の若年層への積極的な戸田市への定住・移住・定着をはかりたいと考えております。出会いや結婚を支援し、出産から子育て、住まいまでの一貫した支援を新たに行うことに取り組んでまいります。
2つ目として、デジタル化もさらに加速してまいりたいと考えております。本市ではこれまでもデジタル戦略室を設置し、生成AIの実証実験と活用など全国に先駆けてDXを進めてまいりました。すでに職員の皆さんの中には、AIやノーコードツールを使いこなしていただいて業務効率化を進めていただいておりますが、ツールとしてのデジタル化のみならず、働き方や職場全体をトランスフォーメーションしていくことは、今後特に進めていかなければなりません。
今後はその第一歩として徹底的なペーパーレスを進めてまいりたいと考えております。合わせて市民サービスのデジタル化にも、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
そして3つ目として、昨年もこの場でお話したところですが、職員の皆さんがより一層力を発揮する環境をつくるためにも、「働きやすい職場環境づくり」に挑戦をしてまいります。
このことについては少し長めにお話したいと思います。
まず、職員アンケート結果を踏まえ昨年はできることから取り組みを進めてまいりました。昨年に実施したものとして、コロナ禍を経た多様な働き方として、①在宅勤務の再開、②夏季休暇取得期間の延伸、③早出遅出勤務制度の拡充のほか、人事管理上の諸課題に迅速かつ確実に対応し、併せて職員の多様な働き方等にも対応していくために、④定数条例の改正を行いました。また市議会のご協力も賜り、⑤本庁舎内休憩スペースの拡充やリニューアル、⑥夏季の暑さ対策としてパッケージエアコンの設置や、⑦遮光遮熱カーテンの設置などを実施いたしました。
令和7年も、引き続き職員の働き方や職場環境、待遇面等の改善と改革を進めてまいります。
具体的な内容として、まず令和6年度中に、職員の皆様が安心して働くために、①カスタマーハラスメント対策指針等の策定や職務に生かせるスキルの向上や自己研鑽のため、②修学部分休業制度の導入、③現在試行実施中の服装自由化の本導入、④頑張った職員がその勤務成績に対して加算昇給や勤勉手当の加算等ができる制度の導入などを進めてまいります。
そして令和7年度には、子育てをしながら安心して働くことができるよう、⑤新たな子育て休暇制度の導入や、今以上に子育て制度等を利用しやすく利用しない職員の負担もできる限り軽減するため、⑥育休取得職員の代替となる正規職員の採用を検討してまいります。また、忙しい中でも効率的に業務を実施しメリハリの付いた働き方を意識するため、⑦ノー残業デーの完全実施なども実施してまいりたいと考えております。他にも適宜、職員提案など柔軟に対応して職場環境や制度等の改革を推進したいと考えております。
こうした挑戦は、言い換えれば戸田市役所全体の生産性向上、そして付加価値の最大化への挑戦でもあります。形だけの制度導入ではなく、それぞれの職員が理解を深め、職場環境全体で機運を醸成するためにも、皆さんには働く上での意識、つまり「マインドセット」のあり方を一度問い直してもらいたいと考えております。
以下に私から皆さんに意識してもらいたい点をいくつか申し上げたいと思います。
①「何時間従事したか」よりも「何を生み出したか」といった成果を重視すること
②オンとオフの切り替えや優先順位付けなど自ら主体性をもって仕事をすること
③慣例に固執することなくDXなど新たな知識や技術を身に付ける常に学び続けること
④公平に負担を分担する仕組みを構築してお互いのメリットや負荷を共有すること
⑤組織のタテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションを重視して全体の調和に心がけること
⑥オープンな中にも上司・同僚・部下に敬意を払い礼節や道理をわきまえ謙虚さや思いやりを忘れないこと
⑦自分自身の体調管理を徹底して心身のコンディションに責任をもつこと
こうした意識をもっていただきながら、「この職場でよかった」と思える職場をみんなでつくりたいと考えております。
以上、今年の3つのチャレンジについて申し上げましたが、若者世代への支援もデジタル化も職員の働き方改革も、すべては「市民の幸せ」という一つの目的に繋がっています。
ぜひ、我々が公務員として働いたその原点や志を思い返していただき、今年も毎日を大切に過ごしてまいりましょう。
今というこの瞬間は過去の積み重なりの上にあり、未来は今の積み重ねの先にしかありません。
私も任期最後の1年となりますが、皆さんと一緒に「このまちで良かった」「この職場でよかった」と実感できる戸田市・戸田市役所を目指して今年も全力で頑張ってまいります。
結びに、職員の皆さんのご活躍、そして戸田市の限りない発展を心から願い、仕事始め式の挨拶とします。
令和7年1月6日
戸田市長 菅原文仁
令和7年1月6日
戸田市長 菅原 文仁
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