【卒業式に寄せて】
本日は市内の各小学校にて卒業式が挙行されました。ご卒業された児童と保護者の皆さんおめでとうございます。
今年度は、学校休校やオンライン教育や密を避ける様々な対応に追われた一年でした。そのような中でも、各学校では校長先生を始め職員の皆さんが子供たちのために懸命に努力していただきました。また子供たちも難しい環境の中で精一杯かんばりました。
困難な状況だったからこそ得られた経験や繋がった絆があったと思います。それらを大切にしながら、前を向いて次のステップへと踏み出して貰いたいと思います。
 今年の卒業式は新型コロナウイルス対策として全学校とも来賓は呼ばずに開催されました。私も昨年同様、出席はせず「市長のことば」を送りました。以下、市長のことばをご紹介いたします。
[市長のことば]
春の新しい息吹を感じるこの佳き日に、令和二年度 戸田市立小学校卒業証書授与式がこのように盛大に行われますことを、心よりお慶び申し上げます。
卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。小学校に入学してから六年間、保護者の皆様、先生方、そして地域の方々に支えていただきながら、たくさんのことを学んだことでしょう。心も身体も立派に成長し、ここに小学校の全課程を修了したことを心からお祝いいたします。
さて、彩の国二十一世紀郷土かるたに「栄一も食べたネギ入り にぼうとう」という札がありますが、栄一さんのことを知っていますか。栄一さんは新しい一万円札の肖像にも選ばれた渋沢栄一さんのことで、埼玉県出身の偉人です。
渋沢栄一さんは、明治時代に銀行や株式取引所、保険会社、鉄道など、五百もの会社の設立に関わり、近代日本のあらゆる産業と経済の仕組みを整えたので、「日本資本主義の父」と呼ばれています。渋沢栄一さんは、なぜ、そんなにも多くの会社の設立に関わったのでしょうか。
渋沢栄一さんは、自分だけがもうけることを考えてはいませんでした。誰もが幸せになれるよう、社会のため、みんなのためを考えて仕事をされていました。
世界は今までにない大きな変化をしようとしています。その変化した社会を担っていくのは、本日卒業する皆さんです。誰もが幸せになれる未来を創っていく皆さんに、渋沢栄一さんの言葉を贈ります。
「ただそれを知っただけでは上手くいかない。好きになればその道に向かって進む。もしそれを心から楽しむことができれば、いかなる困難にもくじけることなく進むことができるのだ」
これからも友達とともに学び続け、新しいことにチャレンジする勇気とやり抜く力を身に付け、目標に向かって突き進んでほしいと思います。
保護者の皆様におかれましては、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。
この十二年間、慈しみ、大切に育ててこられたお子様の新たな門出となるこの式で、立派に卒業証書を受け取るお子様を御覧になり、感慨もひとしおのことと存じます。今後のお子様や御家族の皆様の、ますますの御発展を心よりお祈り申し上げます。
結びにあたり、校長先生をはじめ、教職員の皆様の熱心な御指導に感謝申し上げますとともに、保護者の皆様の深い御理解と御協力、そして、地域の皆様の温かい御支援に、厚く御礼を申し上げまして、お祝いのことばといたします。
令和3年3月24日 戸田市長 菅原文仁
(写真は本日午前中に新曽南庁舎の前で撮影した新曽南の桜です)