【戸田市×公平病院のオンライン診療の実証試験に係る包括連携協定】
本日、戸田市と医療法人慈公会公平病院は「オンライン診療の実証実験に係る包括連携協定」を締結いたしました。
戸田市では、私の公約の一つである「100年健康プロジェクト」の具現化に向けて、今後様々な取り組みを展開する予定です。
その一環として、本日より医療MaaS(オンライン診療車)を保有する公平病院と連携し、医療・福祉・地域連携を図るためのオンライン診療の実証事業をモデル地区(美笹地区)において開始いたします。
コロナ感染症の発見から2年半が経過し、戸田市においても通院控えやフレイルの進行、必要な治療を受けていない方などが顕在化してきており、市民の健康格差が生じつつあります。
一方、人々の健康を決定づけるものとして近年SDH(健康の社会的決定要因)という概念が提唱されつつあります。
この「SDH(Social Determinants of Health)」とは、健康に影響を及ぼす社会的要因と訳されていますが、健康は遺伝子や生活習慣などの生物学的要因だけで決まるのではなく、個人の経済状況や友人や知人との社会的ネットワーク、社会環境など様々な社会的要因が関与しているとの考え方です。
これまで健康の悪化はどちらかというと「患者の努力不足」として自己責任論で片付けられてきたように感じます。
しかし今後は上記のSDHの観点から、医師が処方箋を書いて薬を処方して終わるのではなく、福祉や地域といった非医療的なアプローチも含めた社会全体で連携することによる処方(社会的処方)によって、患者が抱える課題解決を目指して様々なアプローチを進めていくことが極めて重要です。
本実証事業では、市と病院が連携し、医療にアクセスしにくい人に対するアウトリーチとしての医療MaaS(オンライン診療車)による「オンライン診療の実施」や、病院による患者への社会的処方の基礎となる「スクリーニングシートを開発」、また市による地域へのつなぎ役となる「(仮称)リンクワーカーの育成」を行います。
これらの取り組みは、いずれも全国でもかなり先進的かつチャレンジングな取り組みであり、ご理解頂いた蕨戸田市医師会ならびに協定を締結した公平病院の公平誠院長には心から敬意を表する次第です。
実証実験では効果を測定しながらデータを集めて分析し、戸田市の弱点である健康寿命の延伸と前期高齢者にかかる医療負担を減少させるとともに市民の健康格差是正につなげられることを期待したいと思います。
0:03 / 0:29