【水道料金の改定について】
「みずのめぐみ」は上下水道事業の経営状況や事業計画などを市民のみなさまにお知らせするために発行している上下水道事業の広報紙です。
令和6年9月市議会において、水道料金改定に関する議案が可決されたことにより、令和7年4月1日から水道料金及び分担金・加入金を29年ぶりに改定することとなりました。
今回の「みずのめぐみ」では、この水道料金改定について、よりわかりやすく市民の皆さまにご理解いただきたいとの考えから4ページにわたりご説明をさせて頂いております。
さて、申すまでもなく水道は市民生活にとって欠かすことのできない「ライフライン」です。
安心・安全な水道を維持していくためには、施設の維持管理や更新が必要となりますが、物価高騰による費用増加や今後見込まれる人口減少による給水収益の減少により、平成8年4月1日に設定した料金水準のままでは、財源が大幅に不足することになります。
このような水道事業を取り巻く厳しい現状を踏まえ、令和6年1月2日付けで、戸田市上下水道事業経営審議会会長から、市長である私に対して、「戸田市水道事業における適正な水道料金の設定について」の提言書が提出されました。
この提言書に基づき、適正な水道料金の設定について、私から審議会へ諮問をお願いし、審議会において審議を重ねた結果、令和6年6月21日付けで審議会会長から水道料金に関する答申書が提出されました。
この答申書に基づき、今秋開催された令和6年9月市議会において、改正給水条例を提案し、可決されたものです。
[平均33.66%の料金改定の理由]
水道事業は、水道料金収入によって経費を賄う「独立採算制」が原則となっていることから、一般会計(税金)からの繰り入れ等に頼ることなく運営する必要があります。
本市においては、長年、分担金等収入や水道施設に係る修繕等の先送りにより、黒字経営を維持してきたものの、給水に係る費用と水道料金収入のバランスを示す指標である「料金回収率」は恒常的に100%を下回っており、健全な事業運営が確保されているとは言い難い状況となっていました。
審議会では、現行の水道料金水準が維持された場合、収益的収支における赤字額の急な増加や老化した水道施設を更新するための財源が確保されないことが大きな課題である事を指摘されています。
そして新たに設定する水道料金水準として、料金回収率100%の確保や資産維持費を計上することとして算定した結果、今後は「平均61.20%」の料金改定が必要であると判断されました。
しかしながら、近年の市民生活における物価高騰に伴う家計負担等を考慮すると、あまりにも大きい改定率となります。
そのため、令和7年度から令和9年度までの3年間において、資産維持費の計上を見送ることとして、料金回収率100%を維持することができるよう、「平均33.66%」の料金改定が必要であるという意見が付帯されました。
こうしたことから、この答申を踏まえ、水道料金を平均で33.66%改定することを判断し市議会にてご議決をいただきました。
このほかにも、住宅の新築や口径変更時などに発生する分担金・加入金に係る収入についても、今後の水道施設更新等に係る財源確保のため、県内水道事業体全56団体の平均額と同額の料金に改定します。
料金改定等については、市民の皆様への丁寧な説明をすべきであるとの市議会からのご指摘も踏まえて、市民の皆様に広く周知するための「パネル展示」を令和6年12月12日から27日まで市役所2階ロビーにて実施します。
[今後の中期的な展望として]
今回の令和7年4月1日からの料金改定では、物価高騰に伴う家計負担等を考慮し、今後の水道施設更新等に備え、留保するべきとされている「資産維持費」は計上していません。
また少しでも改定率を抑えるため、料金算定期間を令和7年度から和9年度までの3年間としたことから、令和10年度には料金回収率は100%を下回る可能性があります。
今後、将来にわたり健全な水道事業経営及び安全で強靭な水道施設を維持していくため、策定中である上下水道事業の中長期的な事業計画や収支計画を定める上下水道ビジョン等を定めていきます。
この上下水道ビジョン等に基づき、今後の人口動向や水需要を反映させた適正な水道料金の設定について継続的に検証してまいります。
皆様におかれましては、何卒ご理解下さいますよう宜しくお願い申し上げます。