本日は富山市の進める「公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり」について市役所と現地で学んで参りました。
富山市は平成14年の森市長就任以降、従来の拡大型まちづくりからの脱却に向けて議論し、集約型都市を志向した富山型のコンパクトシティの推進へと方針を転換し「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり」を実現することを目指しています。
富山市はコンパクトシティの概念を「お団子と串の都市構造」として、それを実現するために
①公共交通の活性化
②公共交通沿線地区への居住促進
③中心市街地の活性化
を3本柱に据えて事業に取り組んでいるそうです。
①については、市内の路面電車はじめ、幹線バス、コミュニティバスの活性化、さらにはLRTの導入などによる公共交通機関のネットワーク化を進める。
②については、これまで地理的な特性から無秩序に拡がっていた市街地を見直し、地域の人口に目標を定め「都心地区、公共交通沿線居住推進地区」を設定して(約3900ヘクタール)域内に住宅購入する方に各種助成制度を創設し市街地を集積させる。
③については、多目的広場の整備、や高齢者の路線バス利用補助、廃校となった小学校の活用など、中心市街地への集中的な投資で質の高い中心市街地を実現する。
これらの戦略的な取り組みにより、推進地区の転入人口の増加、市内電車の利用は回復、地価の下落の下げ止まりなどの成果が得られたそうです。
そしてOECDのコンパクトシティ政策報告書でメルボルン、バンクーバー、パリ、ポートランドと並んで取り上げられるなど、世界的な評価も高くなっているということです。
写真にある日本初の本格的なLRT(ライトレールトランジット)は、導入が全国的にもかなり話題になりました。
LRTはポートラムとセントラムの二路線あり、市内をネットワーク化し地域の主要な交通網を形成しています。
ポートラムは廃線となったJRの鉄道軌道の上を走らせ、運用は三セクです。セントラムは市内路線電車の路線を拡張整備し、周回させ、運用は電車事業者に委託しています。来年の北陸新幹線開通に合わせ、新幹線と接続してさらに利便性を向上させるということです。
LRTはドイツ製で、なんと1台導入するのに2億数千万円かかるそうで国の補助がかなり入ったようです。
LRT自体は埼玉県での実現可能性は低そうですが、公共交通のネットワーク化や、スプロール化した市街地の再構築、人口減少に向けたまちづくりのあり方については、参考になるところが多くありました。
掲げたまちづくりの理念を強力に進めた市長のリーダーシップにも政治家として勉強になった次第です。
今日はコメントが長くなってしまいました。ここまでご覧下さった皆様ありがとうございました^_^