3.戸田市・蕨市の保健所行政について

Q 菅原文仁議員(無所属県民会議)

次に、3番「戸田市・蕨市の保健所行政について」です。
川口保健所は、川口市内に立地しており、川口市・蕨市・戸田市を管内として地域住民の健康保持増進に関する様々な重要な施策を実施しております。
この川口保健所は平成30年4月の川口市の中核市移行に伴い、県から川口市に保健所事務が移管される予定となっております。
昨年11月に発表された川口市の「保健所設置基本計画」によると「当面の間、県保健所内の一部を改修し、市保健所の受付け業務を行う」とされております。
その後は「平成35年以降に新庁舎が竣工した後、鳩ヶ谷庁舎を使用して保健所機能を集約する方向で検討」ということが示されております。
しかし、川口市の事務が完全に移管された後の川口保健所について、埼玉県がどのように扱っていくのか、これまでその方向性は示されてはおりません。
地元の戸田市は、歴史的にも「戸田・蕨保健所」が設置されており、地域に大変親しまれておりました。しかし平成18年4月に川口保健所に統合され、その後の平成22年4月には、残った分室もなくなってしまいました。
そういった中、県では3月に「庁舎・公の施設マネジメント方針」を発表し、川口保健所の今後の方向性について「権限移譲後の川口市保健所の移転により利用面積縮小が想定される」として最終評価を「将来的な集約化等を検討する」としております。
そこで現在、戸田市・蕨市の市民及び関係者からは、大きな懸念が浮かび上がっております。
それは、近い将来、川口保健所がどこかの保健所に集約化されてしまうのではないかということであります。
しかし、そもそも当該地域は、東は川口、西に荒川、南は県境、北にさいたま市となっており、集約化しようにも、地理的な連続性が保てません。また無理に飛び地で集約化することなど、危機管理上にもありえないことです。
保健所は地域医療の要であり、健康危機管理の拠点です。身近な生活圏に保健所があることは、地域の安全に繋がることはもちろんのこと、県民にとって大きな安心をもたらすものです。
蕨市・戸田市分の業務を他の保健所に移管し、統廃合することは、常々知事が県政の基本として掲げている「安心・安全」の理念にも反するものと考えます。
そこで知事にお伺いします。
平成30年の中核市移行後は当然のこととして、川口市分の事務が完全に移管された後の川口保健所については、これまで通りに、蕨市・戸田市分の業務を継続して行うべきですが、この事についてのご見解をお伺いします。

A 上田清司 知事

最後に、「戸田市・蕨市の保健所行政について」のお尋ねでございます。
御指摘のように、県の保健所は地域の保健・医療を支える拠点で、広域的、専門的な機能を持った健康危機管理の最前線としての役割を持っております。都道府県の保健所の所管区域は二次医療圏と概ね一致した区域とすることとされております。本県においても保健所の所管区域は、地域保健医療計画に定める二次保健医療圏を基本としております。
川口保健所が所管する南部保健医療圏は、川口市、戸田市、蕨市でございます。平成30年度に川口市単独の保健所が設置された後も、現在の南部保健医療圏に戸田市と蕨市を所管する県の保健所が必要となります。現在の川口保健所はどちらかと言えば川口市の中央ではなくて、むしろ戸田市、蕨市に限りなく近いロケーションにございます。そういう意味で、戸田市と蕨市と十分相談をしなければならないことではありますが、方向性としては、現在の川口保健所を活用し、戸田市民、蕨市民の健康をしっかり守っていくことが望ましい、このように考えているところでございます。