5.共助による地域防災力の強化について (3) 埼玉県地域防災サポート企業・事業所について

Q 菅原文仁議員(無所属県民会議)

次に、(3)「埼玉県地域防災サポート企業・事業所について」です。
現在、約5272事業所が登録をしているこの制度は、災害や事故が起きた場合、地元の事業所が、市町村や自主防災組織と協力して地域でサポート活動をしていただくことになっているものです。
登録の最大のインセンティブとなっているのは、県の入札参加資格の評価項目であるということで、特に平成20年~22年度の3年間では、新たに4200もの事業所が登録しました。
しかし、ここ数年は登録数も低迷し、登録後の追跡も行っていないために、災害発生時の救護活動や被災者支援にどれだけ繋がるのか、不安が残ります。
また率直に言って情報のアクセシビリティが悪いため、住民が自分の地域で協力してくれる企業がどこにあるか探しにくくなっております。さらには、通信手段が途切れた場合にはその術もない状況です。
願わくは、普段から事業所と住民が連携して、例えば防災訓練を共同で実施するなど、企業も一緒になって地域防災に積極的にかかわっていただけるような状態が望ましいと考えますが、現在それを促すような仕組みにはなっておりません。
そこで、地域住民から一目でサポート企業だとわかるように、また企業側からみても地域貢献をPRできるように、九都県市が行っている「帰宅困難者支援ステーション」のように視認性を高め、事業所と地域の相互理解を促してはいかがでしょうか。
また、登録企業の情報提供・発信のあり方についても、普段からの連携に結びつくように改善を行い、いずれは事業所と行政、あるいは事業所と自主防災組織の災害時の応援協定の締結などに結びつくよう、取組んでいただきたいと考えます。
以上を踏まえ、今後の展開についてご見解をお伺いします。

A 危機管理防災部長

次に、(3)「埼玉県地域防災サポート企業・事業所について」でございます。まず、サポート企業の視認性を高めるべきでないかについてでございます。
企業は、組織力や専門能力をもっていることから、地域の防災力を向上させる上で非常に重要な存在でございます。現在、埼玉県には、約5,300団体の企業・事業所が登録されており、災害時には市町村と協力して活動しております。平成25年9月の越谷市における竜巻被害、平成27年9月の関東・東北豪雨による浸水被害などにおいて、地元企業の協力により支援活動が行われております。
こうした状況ではありますが、当制度も創設以来10年が経過し、市町村や県民の方々へ改めて周知する必要があると考えております。今後は、サポート企業に登録証を店頭表示していただくなど、視認性を高めることも念頭に、効果的な制度周知に努めてまいります。
次に、サポート企業の情報提供・発信のあり方を改善し、行政や自主防災組織との連携を促すべきではないかについてでございます。県では多くのサポート企業が所属する各種協会など271団体と197の災害時応援協定を結んでいます。それらの協定が災害時に有効に機能するよう、今年度、県と協定団体の連絡組織となる災害時応援ネットワークを立ち上げました。去る6月7日にはコンビニ、イオン、コープなど、物資関係の事業者の方々にお集まりいただき、災害時の対応について話し合いました。今後、ライフライン事業者、物流関係団体などと順次会合を持ちたいと思っております。
こうして有効に機能する協定について、その関連企業とともにセットで市町村や県民の方に情報提供することにより、事業所と地域で災害時の応援の仕組みが生れていくよう努めてまいります。