本日、定例記者会見を開催し、渋谷区で発生した事件について申し上げました。会見はNHK首都圏ニュースに報道されました。
会見で述べた内容は、以下に情報共有させて頂きます。
【発言内容】
定例記者会見に先立ちまして、令和4年8月20日に東京都渋谷区で発生した事件について、一言申し上げます。
何よりもまず、被害に遭われたお二人の一日も早い心身の回復を心より願っております。
決してあってはならない事件であり、どのような理由があろうと、人を傷つける行為は許されることではありません。
なぜ、事件が起きてしまったのか、防ぐ手立てはなかったのかと、この事件のことが頭から離れず、私自身胸が締め付けられる思いです。
二度とこのようなことが起こらないよう、教育委員会と連携して、子どもたちや保護者等への必要な支援に取り組んでまいりたいと考えております。
コロナ禍によって、子どもたちを取り巻く環境が大きく変わりました。マスクで表情が判り難くなり、スキンシップは遮られ、人と繋がっている実感を持ち辛い状況が続いています。
その中で、自分には居場所がどこにもないと考え、不安や孤独、絶望感といった、どうしようもない気持ちに襲われている子どもたちがたくさんいるのではないかと感じます。
また、親であれば誰もが自分の子どもが悩み苦しんでいたら「助けたい」と思うはずです。
しかし、苦しんでいる我が子とどう向き合うべきか、不安や悩みを抱えている親もいるのではないかと考えています。
社会の側がそういったSOSに気付けるような、孤独感や絶望感を生まないようにあらゆる努力をし続けていく必要性を改めて感じています。
市内では、今回の事件を目にして心が乱れたり、ショックを受けたりする子が数多くいるのではないかと思います。
当該中学校においては、8月24日(水)に臨時の保護者会が開催されたと教育委員会から先ほど報告を受けました。
そして本日、教育長から児童生徒と保護者に対してメッセージを発信するとともに、子どもたちの生活上の悩みに関するアンケートを実施しました。
さらに、全小中学校において、命を大切にする指導も実施すると報告を受けております。
子供たちへの心のケアのためには、教員やスクールカウンセラー、心理の専門家による相談支援も重要であり、緊急増員して対応を行ってまいります。
戸田市では、対面では相談しづらい悩みに対応するため、独自にLINEやTwitterを活用したSNS相談も実施しておりますが、改めてこの周知も行い、あらゆる角度から子どもたちの不安に寄り添う支援を行い、心のSOSを見逃さない取り組みを実施してまいります。
市長部局としても、これまで妊娠・出産・保育・子育てに関するそれぞれのフェーズに合わせて、母子保健コーディネーター、保育コンシェルジュ、児童厚生員、家庭児童相談員などが子育て家庭の相談支援を担ってまいりました。
しかしながら、先ほども申し上げましたように、苦しんでいる我が子とどう向き合うべきか、不安や悩みを抱えている親への支援を、これまでよりもさらに強化する必要があるのではないかと感じております。
今後は具体的に、子ども家庭相談センターの人員体制をさらに強化するとともに、子育てに不安や悩みを持つ親同士が、ともに悩みを共有して、支え合える仕組み作りを考えてまいりたいと思います。
最後に事件以降、多くの報道機関からお問い合わせをいただいておりますが、子どもたちや保護者など、関係者の心情に鑑み、個人が特定される恐れがある情報につきましては、公表を控えさせていただくことを改めてお伝えします。
本日から学校が始まっておりますが、一部において、当該女子生徒の自宅や学校を訪問したことを伺わせるような報道もあり、大変心配しております。
取材に当たりましては、子どもたち、保護者の方々へのご配慮をお願いいたします。