H251.「通商産業政策の地方分権化」による台湾との連携について(知事)

Q 菅原文仁議員(刷新の会)

県は、平成25年度の重点政策の一つとして、「通商産業政策の地方分権化」を掲げています。知事は、これまでも経済のグローバル化に対応し、平成22年度の上海ビジネスサポートセンターの設置を皮切りに、ASEAN各国への拠点を設置したほか、埼玉県グローバル人材育成基金や埼玉・アジアプロジェクトの推進など、世界標準の中小企業の育成を進めております。県内産業の育成支援と併せて、内需、外需、正に両にらみで産業政策を進めております。成長著しいアジアの活力を取り込もうとする積極的な姿勢を私は評価しております。
さて、昨年9月に、私はわが会派の鈴木代表と一緒に日本会議地方議員連盟の台湾視察に訪問し、李登輝元総統をはじめ、台北、台中、台南、高雄の要人とお会いしてまいりました。台湾は、歴史的にも非常に親日的な国民性であり、また、国家体制的にも同じ価値観を持つ国家であり、実は、わが国第5位の貿易相手でもあります。今回の訪問を通じて、私は、商売をする上で何より重要な信頼という基盤が作りやすい国だと改めて実感いたしました。台湾とわが国は表面上の国交はありませんが、世界でも一番話しやすい相手であり、長期にわたってウインウインの関係を築き上げられる重要なパートナーになると考えております。
県は昨年、台湾との経済連携の第一歩として日台企業連携セミナー、またビジネスマッチングを実施いたしました。参加者からの意見で私が注目いたしましたのは、中国企業と取り引きする際に、台湾企業をパートナーとして選ぶとメリットが多く、成功率が上がることが分かりましたというものです。台湾に新たなマーケットを望む企業にとっても、チャイナリスクを回避したい企業にとっても、中国進出を考えている企業にとっても、台湾への進出はメリットがあるようです。
このようなことからも、埼玉県と台湾の連携は大変意義があるものと考えます。県議会においても、田中千裕会長の下、日台友好議員連盟が設立されたところです。私も議連の一員として、埼玉県と台湾の橋渡し役として汗をかいてまいりたいと考えております。
そこで、知事にお伺いします。台湾についてどのような可能性があると考えておりますでしょうか。そして、ぜひ埼玉県と台湾の経済連携をもっと形になるように推進してはいかがでしょうか。また、その際はどのようなことを今後考えておりますでしょうか。積極的なご答弁をご期待いたします。

A 上田清司 知事

 既に台湾は、日本企業の進出先として世界の中で第6位を占めております。
県内企業も14社進出しております。
台湾は、半導体や液晶、太陽電池、LEDといった分野で世界トップレベルにあり、台湾企業は伝統的に工作機械、金属製品、自動車部品などに関して高い技術力を持っています。
優れた技術を持った県内企業が、こうした強みを持つ台湾企業と補完・協力関係を構築することができれば、まさにWinWinの関係になるのかなと考えます。
また、台湾企業や台湾人は中国のマーケットに精通し、中国国内に非常に強力なネットワークを構築しており、これをうまく活用できれば中国市場に参入する際のリスクを大きく減らすことができるかもしれません。
こうしたことから、今後台湾を中国進出の足掛かりとして活用できるかもしれない、このように考えます。
県では昨年7月、台湾の民間経済団体が来県したのを契機に台湾企業と県内企業との技術交流会を開催し、また9月には台湾の展示会への県内企業3社の出展を支援したところでございます。
来年1月には国内最大級の見本市である彩の国ビジネスアリーナに台湾企業8社を招へいし、県内企業と台湾企業とのビジネスマッチングを図っていきます。
また、埼玉県産業振興公社内には、本年度から台湾を得意とするアドバイザーを配置して企業からの相談にも応じています。  今後、アドバイザーなどを通じて台湾の産業支援機関との関係を強化し、台湾における商談会の開催などビジネスマッチングの機会を創出していきたいと考えます。