【雨水貯留管の視察】
本日の午後は杉並区の善福寺川から中野区の神田川にかけ、本郷通りの地下に設置されている東京都の雨水貯留管「和田弥生線」の視察に伺いました。
視察はコロナ禍で延期に次ぐ延期が続いて2年越しになっておりましたが東京都下水道局様のご厚意により奇跡的に実現しました。
この「和田弥生線」は住民の要望や都知事の決断によって総工費560億円をかけて内径8.5m、延長2.2Kmの雨水貯留管を地下に整備し、貯留量15万㎥(貯留管12万集水管3万)を確保したものです。
密集市街地という制約がある中、地下水位の高い地域の大深度(地下50m)の施工は大変な困難を極めたそうですが様々な最新の土木技術を駆使して工期短縮(とはいっても15年)とコスト削減(20%)を達成し平成19年に施設が完成しました。
雨水貯留管の整備効果は絶大であり、これまで神田川流域は床上床下合わせて毎年のように1000件を超える浸水被害が発生していましたが、完成以降の現在まで当該流域内での浸水被害は「ゼロ」になりました。
戸田市内でも大きな被害が出た令和元年台風19号の際は、貯留量がほぼ満水となりましたが、浸水被害を押さえ込みました。
想定される一回の浸水被害額は100億ともいわれており、将来にわたる財政効果が大いに期待できます。
戸田市では現在、私の公約でもある「浸水被害ゼロ」を目指して北大通り地下に雨水貯留管を計画し令和6年度内に完成させる予定となっています。(内径6m、延長1Kmの雨水貯留管、貯留量2.6万㎥)
戸田市が予定している雨水貯留管は和田弥生線に比較すると予算8分の1、容量5分の1と、規模感も異なり地下深くでもありませんが、同様の効果を発揮することが期待されます。
本日は担当者も同行して現場で懇切丁寧な説明を受けたことで、より整備イメージが具体化しました。
事業はこの冬から本格化しますので令和6年度内の完成に向けてしっかりと施工管理を行なってまいります。